ご覧いただき、ありがとうございます。 それはもう、極めて希少な激レアなモデルで、一体何台が市場に出回ったのかというくらい、たいへん珍しい昇圧トランスです。 Fidelity Research フィデリティリサーチ XF-2 唯一無二= FR独自のドーナツ型/リング形トロイダル トランス Type L ローインピーダンス専用 音質追求=昇圧に注力 筐体=鋼鉄/2重構造 トランス巻線=LC-OFC の出品でございます。 音響用製品として 最も重要な「音質」を第一と考え、負荷抵抗値(インピーダンス)切り替えスイッチや 複数の入力を使い分けるための切り替えスイッチ、更には MMカートリッジとの併用を考慮された トランスのPASSスイッチなど、音に影響を及ぼすであろうファクターをすべて取り除いた 潔癖な製品でございます。 この昇圧トランスの母体になっているのは XF-1 であるわけですが、FR独創の リング型/ドーナツ形 トロイダルコアに巻く 導線を 当時、音響用導体として華々しく登場した 日立電線が開発した LC-OFC= Linear Crystal Oxygen-Free Coppe 銅の結晶を大きく成長させることにより、伝達進路へ向かうようなライン上の結晶組織を保有する導体 銅の結晶境界に起きる、信号伝達ロスの妨げになるファクターを著しく減少させた 線形結晶無酸素銅を採用。 同社の昇圧トランスの最終モデルとなり、XG-5/XG-7のようなモード切り替えなどの複合機能をもった中級機と XF-2 でいえば Type-L や Type-H のように、付加機能がない専用型の上級機と棲み分けされておりました。 発売されたのが 1984年頃ですから、コンパクトディスクが1982年に登場して以来、この新しいデジタル メディアに注目が集中して もはやレコード盤などは 消滅する運命にありましたので、販売台数も極少数に限られ、細々とフェードイン~フェードアウトしていった 不運の銘機で、登場した時期が不遇のときで 悪すぎたタイミングであった点が悔やまれます。 微弱な音楽信号の伝達を司る入出力端子のすべてをクリーニングスティックを用いて ターミナル全体に外側はもとより、内部の方まで丹念にクリーンナップを施しました。 後述する 昇圧トランスの不要な帯磁を除去する、消磁工程も施工済みでございますので 気持ちよく、お楽しみいただけるものと考えております。
昨今、アナログレコードが脚光を浴びており、嘗てのようにオーディオの王道として スポットライトが当たることは喜ばしい限りでございますが、この分野は相当に難解で険しいが故に あくまでも趣味の範疇でございますので、にわかファンが手に負えずに、さじを投げるといったような 一過性のブームで終わってほしくないと切に願う次第でございます。
MCカートリッジや それに付随する 昇圧トランスなども、そのブームに乗っかって 往年の銘機達の性能に注目が集まる中、それらに対する「消磁」にフォーカスした製品が 幾つか登場していることは、注目に値することと感じておりました。 その手法を施工すると確かに効果は感じられますが、各社での製品毎に優劣があるとというか すなわち 決定版がないようにも感じておりましたが、かねてからの念願であった技法がようやく実現となりました。 採用したのは、高音質レーベルとして世界的に著名な米国の シェフィールド・ラボ社 が 嘗て発表していた 「Magnetic Domain Matrix Signals」=磁気歪みを追放する 9種の消磁信号を活用することで 昇圧トランスの中枢をなすコア(導線の巻枠)の不要な帯磁を中性化する措置を施しました。 昇圧トランスを破壊することがないように、フォノレベルまでゲインを適正化するとともに レコード盤に刻まれた イコライジング・カーブ=逆 RIAA に酷似する周波数特性を保有させることで 悪影響やストレスも与えず、しかも最大限の消磁作用を得ることになりました。 9種の消磁信号は、周波数域を分割しつつ、それぞれ異なる信号のスペクトラムによって 可聴域の全般にわたり、トータル的に消磁を施してくれますし、処置をした機器は 蘇生したといっても過言ではないレベルの 著しい音質向上効果が得られましたので、当方出品のMC昇圧トランスに、全面的に採用していく所存でございます。 他所では 絶対に得られない 大きな音質的 特典として、お見知り置きいただきたいと存じます。
今は消滅してしまった Fidelity Research フィデリティリサーチ。 カリスマ性のあった 創設者の池田勇氏(故人)に率いられて、一貫したアイデンティティーの元 一時代を築きあげた、伝説的なメーカーであったと感じ入る次第でございます。 その池田氏が手掛けた 最後の昇圧トランスが、当出品物になります。 数年度、追放されるように、自らが立ち上げた会社から去ることになろうとは、なんとも皮肉なことですが その後のFRは 根底にあった主義主張を見失い、迷走していくことになってしまいます。 当出品物は Fidelity Research フィデリティリサーチが健全な状態であった頃の 創設者の想いが詰まった 最期の昇圧トランスですので、性能的には文句の付け所がございません。 同社の空芯MCカートリッジと一脈通ずる、とても晴れ晴れとし歪み感が感じられない、透明度が高く繊細で ニュアンスやディテールの表現力に秀でた、極めて明瞭で清らかな音で、昇圧トランスの概念が覆させられると感じます。 FR独自のドーナツ形状/リング型 トロイダルトランスの、高貴な志をご堪能いただけますと幸甚に存じます。
Fidelity research (FR)は、当時 MMカートリッジで高名なグレースのブランドで知られる品川無線の工場長であった 池田 勇氏が、品川無線を退社した その翌年=1964年に創業したアナログ関連の専業メーカーでありました。 創業した翌年の1965年に処女作である FR-1 がデビュー。その内容が 磁性枠にコイルを巻いたカートリッジより 出力電圧が著しく低く 鳴らすのに手こずる、よりハードルの高い空芯コイル型であったことには驚かされます。 ましてや、この時代は昇圧手段が充足しておりませんでしたので、なおのことでございます。 放送局用としてはOrtofon SPU や Denon DL-103 が存在しておりましたが、コンシューマー用として市販されたMCカートリッジとしては DL-103が 1970年とされておりますので、それよりも何年も早かったということになります。 当時はMMカートリッジしか選択肢がなかった一般のオーディオファンたちから、「MCカートリッジとはなんぞや」と注目されたと聞いております。 自宅からスタートした小さな会社でしたが、その潔い思想と他にはない特徴を具現化した製品群に徐々に指示が集まり 同社の空芯MCの集大成=FR-7 シリーズや オールステンレス製のトーンアーム=FR-64S/66S などは当オークションでも大人気であります。 順調に拡大していったのも束の間、1982年に CDプレイヤーが市販されるようになってから、急速にレコード盤からCDへと主役が入れ替わり 同社が経営難に陥っていったことは想像に難くなく、創業者である池田氏は 1984年に FRを去ることになりました。 徹頭徹尾、空芯型のMCに拘っていた同社のアイデンティティーは揺らいでしまい、それ以降に発売されたMCは 他に追従するような 俗にオルトフォン型と呼ばれる鉄芯型のMCになってしまうなど、迷走していき 遂に1980年代後期に廃業となってしまいました。 当の池田勇氏は 退社した翌年に IKEDA Sound Labs を設立し、世界中のハイエンドオーディオファイルから歓迎され 2010年には、健康的な理由から 相談役に退き、石山克昭氏(アイテイ工業)に継承することとなり、譲渡されました。 2018年に永眠。享年87歳。現在でも このIKEDAブランドは健在で、氏も草葉の陰から見守っていることと思います。
空芯型のMCカートリッジに拘っていた同社が、昇圧トランスを発売したのは、FR-1の登場から翌々年に発売。 初めてトロイダル巻きトランスという概念をオーディオ界に持ち込んだ記念すべき作品=FRT-3であります。 一度だけ、乾電池で動作させる ヘッドアンプを登場させたことはありましたが、その後は トランス オンリーでございました。 以来、トロイダル巻きの昇圧トランスを採用し続けたのは、他にはない優位性があったと確信していたのだと思います。 資料によれば、ヒステリシス カーブやバルクハウゼン効果に起因する歪みや雑音成分を根絶すべく、これしかないと判断したようでございます。 FR独自の完全なるリングコアを採用、EI型トランスに代表される組み合わせ型とは異なる一体成形型で なおかつ角ばった箇所のない理想的なドーナツ型/円断面の形状であることなどが特徴的です。 材質は最良のマテリアルとされる 新種のスーパーパーマロイ。米国に特注したとされるトランス 巻線機でコアを完全に覆うように 何千回と極細線を巻くことにより閉磁路が形成されて、漏洩磁束が極小な 格段に高効率な高性能トランスが完成したとあります。 重要なトランスのコア(核)には、従来比=約4倍にわたる容量アップがなされ、尚且つ 左右のチャンネル間の干渉を根絶すべく 内部配線やアース線の出し方/接続方法などが考慮され、L/Rchのセパレーションが最大限に発揮できるような構造になっております。 その特徴的な 唯一無二のトロイダルコアに巻かれる導体は、当時、音響用導体として華々しく登場した 日立電線が開発した LC-OFC= Linear Crystal Oxygen-Free Coppe 銅の結晶を大きく成長させることにより 伝達進路へ向かうようなライン上の結晶組織を保有する導体、 銅の結晶境界に起きる 信号伝達ロスの妨げになるファクターを著しく減少させた 線形結晶無酸素銅を採用。 背面からニョキと出ている 出力ケーブルも 日立の SAX-102。LC-OFC導体の 2芯シールド/バランス型ケーブルがさり気なく採用されております。 シャシは 分厚い鋼鉄の二重構造で、重量=2kg超えといったように、シールドと堅牢性を兼ね備えた、とてもよく考えられた造りです。 トランス本体の筐体への搭載方法を観察しますと、メガネ型の金具を使い、トランスが上面/下面に接しない 宙に浮くように両方の側面に固定するなど、実に巧妙な手法を採用することで、振動に対する考慮も十分に検討されている印象でございます。 内部の画像を掲載しましたので、ご参照くださいませ。
旧い製品ですので、使用に伴うキズやスレなどがありますが、大きなダメージは見当たりませんでした。 他に見落としがあるかもしれませんので、画像を最大限に掲載いたしましたので、ご参照ください。 外観の判断は個人差もありますし、受ける印象も様々だと思いますので 細部まで気になさる方は、恐れ入りますが 入札をお控えくださいませ。 中古のオーディオ製品という観点からのご検討をお願い申し上げます。 実に様々な方々がいらっしゃいますことから、誠に恐縮ですが 原則 ノークレーム・ノーリターン・ノーキャンセルでお願いしたいと思います。
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