庸軒好みとして有名な『標有梅』香合です。
春や色々なお祝いのお席に相応しい香合です。
本歌と同じ槐(えんじゅ)の木が使われ
吹き漆で見事な蒔絵。
延寿の木として、吉祥の木とされています。
13代家元梅軒の在判箱書です。
塗師は、玉鳳、共箱。
香合の蓋裏に標有梅、底に花押があります。
庸軒は、千宗旦の直弟子の一人。
○寸法 5.4センチ、高4.3センチ
藤村 庸軒(ふじむら ようけん、慶長18年(1613年) - 元禄12年9月18日(1699年10月10日))は、日本の茶匠。千宗旦の直弟子であり、宗旦四天王の一人。表千家の流れを汲む、庸軒流茶道の開祖。漢詩人としても知られる。名は政直(のちに当直)、俗称は十二屋源兵衛。微翁、反古庵と号す。
槐(えんじゅ)の木とは、古くから大変縁起の良い木として知られています。
名前が「延寿」に通じることから、長寿や安産の木として大切に扱われてきました。
また、「木」に「鬼」と表す「槐」の木を鬼門の方角に置くことで魔除けとしてもご利益があるともされています。