〇商品説明
柔らかな赤色が眼を惹く、志野焼のお茶碗です。形は大名茶人、古田織部が愛した歪みのある沓形(くつがた)で、歪みという破調のなかに、美を見出した織部好みの作行となっています。
歪みがあるのに穏やかなたたずまいを見せるのは、ほんのりと発色した赤い器に、鉄絵で描かれているほのぼのとした景色によるもので、見た者に春の野を思わせる、「あけぼの」という銘にぴったりのお茶碗となっています。
箱書きは茶道表千家流 久田家12世家元、久田宗也宗匠によるもので、尋牛斎という号と花押がしっかりと墨書きされています。
作者の加藤芳右衛門は岐阜県の生まれで、志野焼の陶工として名高い加藤十右衛門を父に持ちます。自身も希代の陶芸家として名を馳せ、その美しく独特な感性を表現した作品は、多くの茶人に支持されています。
状態は非常に良く、使用感はほとんどありません。元の所有者はとても大事にされていたようです。付属品として紫の仕覆が用意されていて、箱もきれいな状態です。
「久田宗也 尋牛斎」
茶道表千家流久田家12世家元。京都市生まれ、本名を和彦という。号「半床庵」また「尋牛斎」。
表千家13生家元、即中斎千宗左に師事。久田家は三千家の縁戚であり、表千家の茶を業とする。
「加藤芳右衛門」
桃山陶芸の写しの名工であった父の技術を継承し、桃山風を基調に千家のテイストを取り込んだ、独自のはんなりとした作風で多くの茶人から愛されている。
昭和7年(1932) 岐阜県の無形文化財 加藤十右衛門の長男として生まれる。弟に加藤光右衛門、弥右衛門がいる。
昭和33年(1958) 父と共に久々利の地に八坂窯を開く。この時「十鳳」の名で作陶している時期がある。
昭和49年(1974) 「芳右衛門」を名乗る。
平成21年(2009) 逝去。
〇商品状態
状態:無傷完品。状態は非常に良く、未使用にちかいです。
刻銘:久田家「尋牛斎」の書付けあり、また高台内に作者のしるしと、共箱裏に「芳右衛門」の箱書きと印あり。
最大幅:約12.4cm
高さ :約7.5cm
付属品:共箱・仕覆・しおり(1枚)・緩衝材(綿)・保存用紙箱
〇発送
薄紙で本体を包み、仕覆に入れ、綿を敷いた共箱、紙箱に収めます。
エアーパックで箱を包み、ダンボールに入れて発送いたします。ダンボール内では緩衝材として丸めた新聞紙を使用しております。