ペイナイト(Painite)
モース硬度:7.5~8.0
主な色 :赤、茶色~オレンジ色
条痕 :白
光 :ガラス光沢
比重 :4.00~4.10
劈開 :不明瞭
屈折率 :1.787~1.816
複屈折性あり
多色性 :あり、強い
産出 :ミャンマー
ペイナイトは、1950年代に発見され、1956年に新種の鉱物として認められた鉱物です
名前はイギリスの鉱物学者Arthur Charles Davy Painに因み、
発見後、30年以上はたった2個の標本しか発見されませんでしたが、
その後2001年には宝石質のものが発見されています
しかし2005年の時点でも25個程度の標本しか発見されておらず、
ギネスブックに「最も希少な鉱物」として認められました
その後は、新たな鉱脈が見つかり
以降は、わずかではありますが市場に流通しています
しかしそれらも、砂粒のようなごく小さなものばかりで、こちらのように0.5カラットを超えるサイズまで成長している結晶はとても珍しいです
モース硬度8、比重もコランダムと並ぶ4と高く、
どちらも硼酸塩鉱物としては異質で、
相当な高圧によって生成されたと推察される緻密な結晶構造を持つ特異な鉱物です
純粋な結晶は無色透明ですが、
1.5%程度含有する不純物のチタンよって暗い褐色をしていると考えられています
また、ルビーを超える高い屈折率を持ち、ルビーと同じくクロムを含むものは
光源によって激しい赤色の輝きを放ちます
ダイヤモンドやパライバトルマリンのように派手な輝きを持つ石ではありませんが、
内に秘めた輝きと特異性、希少性は比肩するものなしです
日独宝石研究所のソーティング付き