フランス
アンティーク
時代は19世紀のものと伺っています。
薄手の麻布に糸、布、ビーズ等で丁寧に手刺繍されたこの作品は、よくあるサロン用の椅子の張り地として用いるには小さく、いったい何の用途で制作されたものなのか、想像してみる度に芳しいアール・ヌーヴォーの風に包まれます。
土台の麻布も、刺繍に使われた糸や花を形作る端切れ達も、いずれもが長い年月を経ていい色合いと風合いになりました。
壺の部分の左右には、マイセンやKPMの花瓶、置物、ポット等で偶に見かける山羊の頭が付いております。
当時、山羊の角は「富」の象徴としてヨーロッパ各国の装飾品にモチーフとして好んで使われておりました。
御参考までに最後の画像では額の上にそっと置いてみただけですが、是非お好みの額に収められ御鑑賞かたがた古の時代に想いを馳せてみては如何でしょうか。
センターの吊るされた壺は真ん中部分の刺繍がほぼ切れて無くなっており、リボンにも欠損箇所があります。
ビーズなども幾つかは取れているようです。
時代を鑑みれば致し方ない程度のシミやほつれもありますが、布地は未だ柔らかく、目立つ穴や切れ、酷いシミ汚れなどは見られません。
上質で上品。
そして状態の良いアンティーク刺繍タペストリーをお探しの方に。
ご検討頂けましたら幸いです。
(御参考)
縦:約 45 cm
横:約 51cm