19世紀末〜20世紀初頭、フランスの文明と文化が繁栄したベルエポック期のワークウエアをイメージした、プルオーバー・シャツです。当時のフランスのワークウエアは膝あたりまで丈のあるスモックが中心でした。ビオード (BiaudeまたはBieaudeau) と呼ばれるものです。プルオーバータイプが主流ですが、前開きのものや腰丈の短いもの、また現代のジャケットに近い形のものなど、様々なバリエーションがあります。ショート丈ジャケットに近いものは ブラウス (Blouseフランス語の発音は ブルーズ)とも呼ばれていたようです。) ウエスト・プルオーバーは、こうしたバリエーションの中で、腰丈のプルオーバータイプのひとつを参考にしてデザインしたものです。背中のヨーク下にプリーツを入れた、ゆとりある身頃は、背面のストラップで絞ることで抑揚をつけることができます。ストレートなパターンの太めの袖は、カフスにプリーツ、脇下にガセットが入り、これもまた胸〜肩を強調する中世以降のヨーロッパのメンズウエアに通じるデザインとなっています。基本的に裾を外に出して着ることを想定されており丈は短めですが、ハイウエストのパンツにタックインするこ
とも可能です。
今シーズンでは、アーリーアメリカンテイストのビンテージダック生地を使用しました。着ていくと風合いを増し、柔らかく体に馴染む生地です。