ゲルハルト・リヒター全てのポスターは、デザイン/サイズ/紙の質などの制作プロセスにリヒターご本人が関わっている点が特徴です。展覧会タイトル部分に黒の箔押しが施されています。
アブストラクト・ペインティングについて以下を図録より拝借しました。
「スキージーシルクスクリーンを制作する際に用いるヘラ状の道具、または窓拭きの道具ーによって絵具をキャンバスに押しつけ、引き伸ばす。80年代の初頭に絵画を構成するー要素として導入されると、リヒターはやがて、ときに画面の縦幅ないし横幅にわたるような長いスキージ(画家自身は「大きなヘラ」と呼ぶ)を、アクリル板と木製の持ち手を組み合わせて自作し、用いるようになる。(写真4)その道具を引きずる動きは、画面に絵具を展開すると同時に削り取ることでもあり、描きながら描くことをキャンセルする、物質としての絵具の特性が現れながらそれがまるで絵具ではないようなイメージにその場で転じる、そういった特異な状況を生み出す。その効果は1990年代前半の作品群において顕著だが、基本的な原理は2010年代の抽象絵画にまで続いている。」
サイズ:3030センチ