12歳の少女・萌黄は、育ての親の叔母が遠国に行くことになったのを機に、中宮のための役所・職御曹司(しきのみぞうし)で、下働きをはじめる。別れぎわ、叔母は萌黄に「お前の父さんがつくったものだよ」といって、白い紙を預けてくれるが、萌黄には父の記憶はない。
先輩の瑞木(みずき)や、庭で暮らす木守(こもり)の親子、牛飼い見習いの幼なじみとともに、充実した日々を送るが、父から預かった紙を、「清少納言から盗んだ」と勘違いされ、職御曹司を追い出されてしまう。
途方に暮れるなかで、路上で歌をうたって日銭を稼ぐ紅葉と出会い、ともに暮らしはじめる。しかし、突然の別れがあり……。
萌黄は、清少納言が藤原行成に送る手紙を届けたり、枕草子の一説を読んでもらったり、書き損じの紙を集めたりするなかで、言葉が紙を通じて広がっていくことの不思議を知る。そして次第に、紙というものに惹かれていく。
歴史のなかでたくましく生きる、名もない庶民を描きつづけてきた久保田さんが次に描くのは、平安時代に土を踏みしめて力強く生きた人々。枕草子から着想を得た、枕草子の裏側にあったかもしれない、一人の少女の物語。
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