自宅保管の品です。大変美品ですが、古いもので経年変化はございます。画像にもありますように、表紙に破れがございます。ご理解頂ける方にご検討をお願い申し上げます。
人生なんて、言ってみれば流れる雲のようなもの。則天去私ですよ。がんの大手術から6年、寡黙な男、渡哲也はなぜ今、自らをさらけ出し半生を赤裸裸々に語るのか。初めて明かされる衝撃の新事実。
がんの大手術から6年、寡黙な男、渡はなぜ今、自らをさらけ出し、半生を赤裸々に語るのか。初めて明かされる衝撃の新事実。
目次
第1章 至上の人・石原裕次郎(俳優デビューの日、裕次郎が励ます;頑固な“明治の父”に反抗した寮生時代 ほか)
第2章 闘病の軌跡「がんを撃つ」(喜びと悲しみ、同じ病院に家族が揃う;己の原型を父に見る ほか)
第3章 人生流れる雲の如く(高倉健「寒青」で結ばれた友情;吉永小百合 アルバムに秘められた愛 ほか)
レビューより
渡さんの生い立ち、暴れ者になった少年期、映画界入り、運命的な出会いの裕次郎さんとの思い出、奥様との出会いから結婚に至るまで、「西部警察」に出演した5年間への渡さんの驚くべき本音も書かれています。私は、本書に書かれていた数多くのエピソードに、心を揺さぶられたのです。反抗期の渡さんに宛てた父の手紙、初めて結婚を意識した女性にまつわるエピソード、裕次郎さんが闘病中に渡さんが決意した壮絶な覚悟、結婚披露宴を行わなかった理由、高倉さんとの男の友情、吉永さんとの淡い恋、勝新さんのためのカラオケ等、どの話も心の琴線に触れました。
また、渡さんの闘病と苦悩の日々、病院で見送った多くの若い命への痛切な思いと人生観、ストマになってからの洗腸の苦労についても書かれているのですが、読後感は爽やかです。
渡さんの、優しくて男らしい誠実でまっすぐな人柄がしのばれるエピソードだけではなく、時には弱音を吐いて悩む姿や、綺麗事ではない生身の人間らしさを感じる点にも触れているので、共感を抱ける書だと思います。私にとっては、改めて生き方を考えさせられ、渡さん、裕次郎さん、高倉さんたちの「男の美学と友情」、渡さんのご両親の愛情と人間性に深い感動を受けた良書でした。
「なぜ自分だけが!」という正直な感情の吐露。弱音。しかし、渡さんはやはり強い。耐える男だ。敬愛していると語る健さんをある意味で超えていると言えるのではないか?自分を慕う者のため、組織のため、家族のため、人のため。多くのものを背負いながら、耐えている姿。逃げ出したい本心を自覚しながら、じっと耐える渡さん。すごい方だと思う。決して見習えはしないが、男の生き方の極北のように思う。