タイ料理やベトナム料理屋が、日本中にあるにもかかわらず、ミャンマー料理屋とフィリピン料理屋がほとんどないのは、料理のまずさで言うと、東南アジアでワースト1とワースト2だからです。おそらく、ワースト3は、カンボジア料理です。ただ、ミャンマーと異なり、フィリピンは随分と発展していっているので、ひょっとしたら昔とは違うかもしれません。30年ほど前のイメージで言うと、フィリピン料理は、油を入れた塩味のお湯の中に、魚がポカンと浮いているという感じでした。だから、食事は、ジョリビー(フィリピンで有名な、ファストフード店)以外では無理でした。 ミャンマー料理はどうかというと、薄い薄い、味がしないぐらいのカレースープに、ふにゃふにゃの麺が入っていて、しかも生ぬるいという、全く食欲をそそらない料理が記憶に残っています。しかも、夜に酒場に行くと、ビールは一応あるのですが、つまみのピーナッツは、完全体ではなくて、あちこち欠けて、ぼろぼろのピーナッツしかありませんでした。しかも、水が悪い為、しばしば体調を壊すし・・・・・。ろくな食べ物はありませんでした。 そんなミャンマーですが、宝石だけは、きわめて美しく、しかも安価でした。仕入れ値も、今の何十分の一ぐらいでした。スピネルなんか、人気の出る前でしたから、だれも見向きもしないような感じでした。「とても綺麗なのに、どうしてかなあ・・・」と思っていましたが、今なら、その理由は分かります。スピネルは、蛍光灯や自然光の下では綺麗ですが、夜のレストランやパーティ―会場などで使われる、オレンジっぽい色の白熱灯の下では、美しさを発揮できないからです。ピンクサファイアやルビー、インペリアルトパーズやパライバトルマリンと違って、晴れの舞台やデートの日など、一番活躍しなければならない場所で、活躍できないのです。30年前と言えば、まともな宝石を購入して身につけるのは、欧米諸国の人と日本人、後、ほんの一部の香港人、台湾人、韓国人、シンガポール人ぐらいでしたので、肝心な場所で活躍できない宝石類を拒絶したのだと思います。 さて、今回、皆様にご紹介商品は、30年ほど前、ミャンマーで購入したピンクスピネルです。写真の通りの美しいピンクスピネルです。ただし、蛍光灯の下での写真でございます。白熱灯の下では、オレンジ色になりますので、その点は、正直にお伝えさせて頂きたく思います。