「絶頂集」
椎名林檎
定価: ¥ 2800
“世知辛い世の中”という言葉を椎名林檎はよく使う。そして、その世知辛い世の中と向き合ったときに生じるあれやこれやの思いを“音楽”として吐き出し続ける。今年4月から7月にかけて行なわれた、顔ぶれの異なる三つのバンド(3枚のシングルそれぞれに虐待グリコゲン/天才プレパラート/発育ステータスと名付けられている)によるライヴとスタジオ録音を収めた本作でも、そうした“表現行為”に揺るぎはない。けれども、「本能」での思わぬ大ブレイクで多くの人の面前に突然晒された椎名林檎の、これが現在の心のありようを等身大で伝えているのだろう。何故にそんなに生き急ぐ、と思わず声をかけたくなるほどの衝動をこれまで以上に強く感じさせるのはそれゆえか。そんななかで、田渕ひさ子(ナンバーガール)や吉村由加(DMBQ)らを迎え、新機軸を打ち出したDISC-3は、コラボレーションの成果が表われた、ゆるくてもったりとした秀作。
2000年「下剋上エクスタシー」からのライヴ音源盤と1999年「学舎エクスタシー」で実演された楽曲のスタジオ再録盤と、バンド・発育ステータスのライヴ音源盤の3枚から構成。それぞれ3枚の8cmシングルを紙箱の特殊パッケージに収めた特別仕様作品。